コミュニティエリアの公聴会
この公聴会は、市が行おうとしている土地の収用が公益性を有するものかどうかを認定する県が、市が提出した事業認定の申請書を公告・縦覧した結果、利害関係者からの請求があったため開催されたものです。
続いて、公述人が登壇し、賛成2人、反対6人が意見を述べた。
賛成で意見を述べた公述人の一人は、安土まち協から「賛成の立場でこの紙を読んでくれtらいいので…」と頼まれて、「改築された市内他校との教育環境の悪さを改善するのには移転新築が望まれ、児童も保護者も通学を楽しみにしている」と読み上げて退席されました。もうお一人は建設予定地の地主会のメンバーで「学校、コミュニティセンターなど、地域の重要な施設が一体整備されることを強く願う」と述べられました。
一方、反対意見では「小学校の移転について地域での民意集約の進め方に問題があり、まちづくりの議論もなかった」、「安土城があった時代の田園風景が残っているところに計画が進められるのは、風景景観上の問題がある。歴史的な検討が重ねられたのか疑問である」、「保健師として阪神淡路大震災の医療救護所で活動した経験から、エリアの出入り口が1か所しかない計画は、避難所となった場合に問題が起きる」、「計画地は軟弱地盤であり、防災拠点に適地ではない。敷地が広大で事業費が高額であり、学区住民の民意が反映されていない」、「安土小学校は、明治時代の水害の経験から安全な高台に建設された経緯がある。また、土地は子どもたちのためならと住民から提供された安全な場所であり、移転には賛成できない」、「時間をかけてでも、賛否両論が渦巻く今の状態なら、出直してやり直すことが必要。いまごろ公聴会を開いて何になる」などの意見が述べられました。
県では、これまで事業に対して寄せられている意見も含めてまとめ、今後、開催する事業認定審議会に提出することにしているそうですが、この公聴会で、利害関係のただ中にいる地主さんと、推進するまち協から頼まれて文書を読んだだけの賛成意見と、これからの町の在り方も含めて再考を求める6人もの人意見を聞いたうえで、平然と「公聴会は開いて意見は聞きましたよ」でおしまいにするのか、県の姿勢を見守りたいところです。。