地権者の説得

 先月28日、近江八幡市は小学校を移転候補地で建替えることに決定しました。この候補地には11人の地権者がおられ、その中には、既に宅地造成が終わり入居が始まっている、東南寺東側区域の地主の方もおられます。この地主会の皆さんは、移転候補地に学校がくることを長年心待ちにされていたので、売買交渉が始まれば一も二もなく売りに出されるのでしょう。しかし、中には田んぼの売却に難色を示される方もおられるでしょうし、移転候補地の周辺で、移転区域外になった田んぼの持ち主の方からは「なんでここまで買うてくれへんのや」「学校敷地だけ嵩上げしたら周りの田んぼは迷惑や」などの問題が持ち上がることも考えられます。そうなると開校の予定が、しいては隣接するコミセン建設の時期も遅れることになります。そんなことになっては困る、とまち協が移転候補地の地主さんへの働きかけを始めています。
 しかし、まち協に求められるのは、公共用地の売買交渉への干渉ではなく、学区のまちづくりの在り方、学校やコミセンを移転させた後、この街をどのような形で活性化していくのか、というビジョンを住民にしっかりと示し、みんなが納得してまちづくりに参画できるようにすることなのではないのでしょうか。まち協が売買交渉に関わってしまうと、そこに利権が絡んでいるのではないかと、あらぬ疑念を起こさせてしまい、またまた不毛な議論の応酬が始まってしまうような気がしてなりません。  


2021年10月25日 Posted by ころっけパパ at 17:59Comments(0)ころっけパパのひとりごと

学校問題を考える

 長年論争が続いていた小学校の移転問題に対し、市は浸水想定がされている田んぼの中に移転することを決めました。市はこの問題について、住民に十分な説明が出来ていないとして、今年1月から学区で住民説明会を開いてきました。コミセンでの説明会では、移転推進派の皆さんが事前に集まって、賛成の方向で発言する内容や発言者も決め、会合に臨んでおられました。
 その後、小学校に通う児童と未就学児の保護者、730世帯だけを対象にしたアンケートを実施しました。驚いたのは730世帯の内で回答したのは424世帯で回答率は58.1%、その内移転賛成が67.7%、現地建て替え希望が32.1%だということです。この数字、どう考えますか?まず回答率の低さです。市は説明は尽くしたということなのでしょうが、半数弱が回答できないで困っておられたのではなかったのでしょうか。その一方で、現地建て替え希望の署名が2557筆も集まっていることを思うと、もし住民アンケートを実施していれば、現地建て替えの方が多くなるような気もします。それでも敢えて移転賛成が多くなるであろうと見越した保護者だけのアンケートにし、その結果がこの数字にしかならなかった移転建設希望をもって、住民の合意が得られたと言うのは大きな誤りがあるのではないでしょうか。
 さらに、前回の住民説明会では「これは小学校の建設についての説明会ですから、コミセン等に関する質問は受け付けません」と言い、アンケートも「小学校の建設について」のものだったにもかかわらず、移転建設決定の理由説明では「今後、公共施設の整備検討時に学校と共同利用の検討が可能になる」と言っています。
 市長選挙が近づき、応援を受けられるであろう地主会の皆さんやまちづくり協議会の意向が市長の判断に大きな影響を与えているのでしょうが、住民の多くの賛同を得ようとするのなら、移転の必要性は何か、移転してでも目指そうとするこれからの安土まちのありかたはどういうものかを、説得力を持って語れるかどうかが問題なのではないのでしょうか。そうでないと、小学校と同時に進めようとしているコミセンの移転について、また同じような賛成反対の不毛な議論が再燃することは目に見えていますし、選挙の票目当ての移転と思われる気がしてなりません。  


2021年10月21日 Posted by ころっけパパ at 22:20Comments(0)ころっけパパのひとりごと