西の湖さんぽ

  春霞みの西の湖畔では、春の風物詩、ヨシ焼きの作業があちこちで行われています。
 子どもたちを乗せた船が湖面を横切っていきます。麗らかな春のひと時、16組の家族が参加して、西の湖の魅力に触れる「西の湖さんぽ」が行われました。
 コロナ感染症対策で密を避けるため、半分が先に2艘の船に乗って対岸まで行き、そこから西の湖すてーしょんまで歩きます。もう一チームは先に湖岸を西の湖園地まで歩き、船に乗ってスタート地点に戻るコースです。
 船は春の西の湖の湖面をゆっくりと進み、湖から見える湖岸の風景や、湖面に浮かぶ水鳥を楽しみました。よしぶえロードのあちこちには、湖畔で見られる植物や水鳥の絵が置いてあり、手にした観察カードに名前を記入していきます。湖面にはオオバンやカイツブリ、マガモなどがゆったりと羽を休め、時折アオサギなどのちょっと大きな鳥がゆったりと飛んでいきます。湖岸の麦畑の上ではヒバリが囀っています。
 2つのグループがスタート地点に戻ったところで、カードに記入した鳥や植物の名前のビンゴゲームです。担当の方が遠くには比良山系の山並みも霞んで見え、春の西の湖を満喫したひと時でした。

  


2021年03月21日 Posted by ころっけパパ at 20:25Comments(0)ころっけパパのひとりごと

記憶にとどめておきたい風景

 昨年まで長閑な田園風景が広がっていた場所は、あっという間に土で埋められ、次々と新しい住宅が建ち始めました。既に新しい住人が生活を始めている家もあります。
 この住宅地のすぐ後ろ(西側)には、2~3mほどの段差があり、古い石垣と、段差の上の民家からは下に降りるための石の階段がついています。昔、この付近には“やじ川”と呼ぶ川が流れ、石段を下りた所には「川戸」と呼ばれる湧水を溜める小さな池があったのです。40~50年前までは、川に水が流れ、川戸にもきれいな水が湧いていて、野菜を洗ったりする大事な生活の場だったようですが、小中の湖や大中の湖が干拓され、圃場整備が行われるようになると、水は枯れ、川の流れもなくなり、無用の長物になってしまったようです。
 しかし、安土城が築城されたころ、城下町はこの段差の上に広がり、段差の下には豊浦の庄の田圃が広がるという歴史的な景観を形成する貴重な段差なのです。この段差は、JRの線路を横切り(線路が段差の上を通っているのですが)、総合支所が建つ竜石山までつながっています。残念ながら南側は早くに住宅化が進み、段差のすぐ下まで住宅が建って、段差もそこから下りる石段も全く見えなくなっています。
 北側に残されている段差のある風景も、いずれ南側と同じように宅地の中に埋もれてしまうのでしょう。今見えている川戸の名残がある所も、宅地として売却されたようですから、後数年も経てば、ここに川戸があった痕跡すら消えてしまうのでしょう。
 安土の歴史を考え、安土城の痕跡を残そうと思うのなら、こうした歴史的景観を大切に守っていく必要があるのではとないかと思っています。
   


2021年03月19日 Posted by ころっけパパ at 20:20Comments(0)ころっけパパのひとりごと

公民館とコミュニティセンター

 公民館を英語表記するとcommunity centre(米語表記はcenter)で、公民館とコミュニティセンターは本来は同じものです。けれど日本の場合はどうでしょう。
 先日、竜王町公民館で行われた「公民館フェスタ」という催し物に、安土・老蘇まち協バンドが出演させていただきました。令和2年度は新型コロナウィルスの影響で大半の催しが中止となる中、子どもたちにとっては貴重な発表の場となりました。
 竜王町では公民館事業として「竜王キッズクラブ」という子ども向けのプログラムが用意されたくさんの子どもたちが楽しんでいます。令和2年度はチャレンジ、サイエンス、書道、クッキングの各クラブとブラスバンドの5つの教室、この他に長期休業中には竜王キッズスクールとして、自主学習室をはじめ、折り紙や切り絵など8教室が開かれ、それぞれに指導者がついて子どもたちの受け皿となっています。
 2月の下旬に招待していただいたあかね文化ホールがある旧蒲生町では、公民館事業の一部を受け継いで蒲生地区まちづくり協議会が子ども育成のための事業「蒲生マックスクラブ」を主宰し、茶道、囲碁・将棋、蒲生太鼓、陶芸、ダンス、チャレンジ、ジュニアバンドなど7つのクラブで子どもたちが楽しく活動しています。これとは別にコミセンでも事業を運営し、児童合唱団が活動しています。
 一方、安土ではどうでしょう。安土町公民館の頃にはこれに近い子どもの活動の場があったのですが、市町が合併し公民館からコミュニティセンターと名前が変わると、コミュニティセンターは「箱(建物)」だけの名称になり、コミュニティセンターが事業をすることは無くなりました。コミセンの職員も非常勤のセンター長が一人です。ではまちづくり協議会はというと、人が集まるイベントには進んで資金を投入しますが、子どもの活動については「安土・老蘇まち協バンド」があるだけで、他の市町のような子どもが年間を通して活動する場所はまったくありません。
 コミセンも県下の大半の市町のコミセンが基本的に年中開館しているのに対し、近江八幡市内では日・月休館で、年末年始やお盆期間などはかなり長い期間休館になり、活動の場が減っているのが現状です。
 人集めのイベントや観光推進も大切なのでしょうが、「まちづくり」というのは、もっと足元にいる住民や子どもの育ちを考え、そちらの方に力を入れるのが本筋のような気がしてなりません。
 


  


2021年03月12日 Posted by ころっけパパ at 16:00Comments(0)ころっけパパのひとりごと