ヨシ灯り作り

 14回目を迎える「西の湖ヨシ灯り展」を、今年はどうするか。全国的に新型コロナウィルスの感染が広がり、滋賀でもその数が増えてきているので心配な所ではあるのですが、ヨシ灯り展自体は屋外での展示なので、観覧方法や感染症予防の対策をしっかりと講じたうえで開催することになりました。今年のテーマは「収束を願って、今私たちにできる小さなこと」とし、参加を呼びかけたところ、たくさんの方から出展希望の声が寄せられました。
 この日は、初めて作品作りに取り組む日野町内の小学校に寄せていただきました。ここは5年生の子たちが琵琶湖学習を進める中で、琵琶湖に生えるヨシについても勉強し、その一環としてヨシを使ったヨシ灯りの作品を制作してみようということになりました。
 最初に、琵琶湖のヨシについてのお話しや、ヨシを使うことの願いを話し、いよいよ初めての作品作りに取りかかりました。ヨシ灯りを見たことがない子が殆どなので、「ヨシ灯り名人」が制作の基本を説明し、今までの作品が収められた作品集の写真を見ながら、制作を始めました。
 初めての作業で戸惑う子も多いのではと思っていたのですが、「学びの姿勢」がしっかりしている子ばかりで、分からないことや手伝ってほしいところは、周りにいる先生やヨシ灯り名人に進んで声をかけ、友だちと相談したり、作品集に何度も目を通したりしながら、思い思いの作品を仕上げていき、早い子は2時間足らずの時間で、素敵な作品を作り上げました。
 今年のヨシ灯り展は9月26日~27日の二日間、西の湖の畔にあるヨシキリの池の周辺で開催します。
  


2020年07月29日 Posted by ころっけパパ at 18:22Comments(0)ころっけパパのひとりごと

苔穴大明神

 滋賀の昔話で良く知られているものの一つに「俵藤太の百足退治」がありますが、我がふるさと安土にも大蛇退治の伝説が残されているのです。残念なことに、安土に生まれ育って大きくなった方でも、知っている人は少ないようです。
 安土の下豊浦に「庄神」さんとして昔から祀られている活津彦根神社本殿の横に、たくさんの神様が祀られている社殿がもう一つ建っています。その社歴の中にある祭神の一柱が「苔穴明神」です。さてさて、どんな神様なのでしょう。
 昔(と言っても70~80年前)、小中の湖が干拓されるまでは、湖の周辺はじめじめとした湿地帯が広がっていました。江ノ島もその名の通り島でしたし、今は干拓時の堤防が自転車道路になっていてその面影はありませんが、こうなる前は砂州が続いていたのです。その砂州が大中の湖との境の砂州と出合う辺りを巴と言い、その付近の湿地を「苔」と言いました。この苔にはとても深い穴が開いていて、そこに大蛇が棲んでいたのです。この大蛇は、頻繁に村々に現れて暴れまわるので、村の人たちはおちおち畑仕事も漁もできずに困っていたそうです。そこで、平井に住んでいた伴平太夫という勇猛果敢な武士が、大蛇退治に乗り出したのです。ここからは伴平太夫の武勇伝と大立ち回りがあるのですが省略。詳しく知りたい方はころっけパパまで(^^♪
 で、伴平太夫は家伝の槍で現れた大蛇の両眼を突き刺し、無事に退治することができたのですが、その後から、この伴家には眼病で苦しむ人が何人も出るようになったのだそうです。これは大蛇の祟りかもしれないと思った平太夫は、苔穴明神として手厚くお祀りしたところ、目病みがなくなった、ということです。
このように地元にちょっと前まで伝わっていたお話が、今の子どもたちに伝わらなくなってしまうのは残念なことですし、せっかくお祀りしている神様のことも忘れられていくのも残念でなりません。「ふるさと学」では、こうした伝承も語り継いでいきたいと思っています。
  


2020年07月20日 Posted by ころっけパパ at 12:00Comments(0)ころっけパパのひとりごと

ジャガイモの収穫

 西の湖自然楽校農園に、久しぶりに子どもたちの顔が戻ってきました。
 3月20日にみんなで植え付けたジャガイモは、自然楽校スタッフが手入れを続けてくださったおかげで、すくすくと育って、いつでも収穫できるようになっていました。最初は7月4日に集まる予定でしたがあいにくの雨。今年の梅雨は雨の日が多く、11日もまた雨。天気予報では18日も19日も雨予報で、次の晴れ間は26日くらいかなあ、と思っていたのですが、昨日今日と予想外の梅雨の晴れ間となり、急遽みんなで集まることになったのです。
 蒸し暑い真夏の様な天候でしたが、子どもたちもコロナ感染対策をしっかりし、スタッフのおじさんは手洗い用の手作り給水車まで準備してくださいました。
 春に植え付けたのは「男爵」「キタアカリ」そして「メイクイン」の3種類で、家族ごとにそれそれのジャガイモを掘り起こしていきました。収穫時期がだいぶん遅くなったので、土の中で腐っているのでは、と心配していたのですが、土の中からはたくさんのジャガイモが出てきました。掘り起こしたジャガイモを一ヶ所に集めて、今度の自然楽校で使う分と、それぞれの家族分に分け、みんなで仲良く持って帰りました。今夜のおかずはどのお家もジャガイモ料理かな。楽しみですね。
 お世話になったスタッフの皆さん、ありがとうございました。  


2020年07月19日 Posted by ころっけパパ at 18:15Comments(0)ころっけパパのひとりごと

こどもたちにふるさとを

 3月以降のコロナ自粛生活で引き籠っている間、以前から続けている「ふるさと学」の資料収集に励んでいました。その中で、40年ほど前に先人(というより人生の先輩)が作成された大切な書籍がほとんど残されたおらず、今の人々の記憶にもほとんど残っていないということに気付いたのです。
 最初に手にしたのは昭和58年から平成5年にかけて、当時の安土町読書クラブの皆さんが、安土町教育委員会の後押しを受けて作成された「ふるさと心の伝承」(全5集)です。当時70~80歳代の方々が、若かりし頃の思い出や、自分の親や知人から聞いた話を、思いつくままに書いておられるもので、安土の駅舎が出来た時のこと、明治の水害のこと、琵琶湖逆水が出来た時のこと、安土にも空襲があったこと、地元の神社の来歴等々、今ではほとんどの方が忘れてしまっているようなことが、その人の語り口で綴られています。安土図書館にも聞いてみましたが全巻揃っていませんでした。
 昭和55年に刊行された「安土 ふるさとの伝説と行事」という本も、記憶に残っている人は少ないようです。この本の「はじめに」の副題が「こどもたちにふるさとを」となっています。この前書きの中で「わたしたちには、祖先が世代から世代へと引き継ぎ築き上げてきたその地域の文化を、今度はわたしたちの子孫へと継承していくという歴史的使命が課されているといっても過言ではないと思われます。」と書かれているのですが、残念ながら僅か40年余りで、こうした取り組みそのものが忘れられようとしています。
 新しい取り組みも大切なのでしょうが、先人が残して下さっているものに今一度スポットを当て、現代の自分たちの社会生活に活かし、生活文化の血肉としていくことが「文化の継承」につながるのではないかと思うのです。  


2020年07月03日 Posted by ころっけパパ at 18:12Comments(0)ころっけパパのひとりごと